2005年04月07日

奈良市民の会の報告

◆第3回奈良市民の会の報告
 3/6(日)。参加者17名でした。吉田敏浩さん(岩波新書『ルポ戦争協力拒否』の著者)に、「戦争協力拒否―今、私たちにできること」と題して講演をしていただきました。
 以下に概要を報告します。

  1. 日本はすでに加害者になっている。ファルージャ攻撃には、沖縄に駐留する米海兵隊の部隊も加わっている。イラク侵攻作戦では横須賀から出た米空母の艦載機が爆弾の雨を降らし、巡洋艦はミサイルを打ちこんだ。群馬県の渋川上空ではイラン、北朝鮮の山岳地帯の軍事基地攻撃を想定した訓練が行われている。それを許すことで、我々も加害者の立場に立っている。

  2. ある米兵が、米軍による爆撃で多くのイラクの人々が被害を受け殺されたことに対して、「necessary cost(やむを得ない犠牲)」だと言った。「cost」には「費用」という意味もあり、数量化できる。そこには人間を数量化し、物や金と同様に消耗品のように扱う思想が込められている。為政者・権力者が自らを安全圏に置きながら、「国家の安全のために個人の命を差し出せなどとは言わない。が、90人の国民を救うために10人の犠牲はやむを得ないとの判断はあり得る」(自民党・久間衆院議員)として国民に犠牲を強いてくるのと同じ論理だ。他人の命をnecessary cost視する者は、自分の命もnecessary cost視されてしまうことを知るべきである。想像力を働かせ、他人の痛みを感じられるようにしなければならない。

  3. 無防備運動を通じて地域で地道な対話を広げてゆくことが大事だ。遠回りのように見えて、実は近道ではないか。市民との対話を通じて何かが生まれる可能性があると思う。

◆第4回奈良市民の会の報告
 3/27(日)。参加者28名でした。池田香代子さん(マガジンハウス『世界がもし100人の村だったら』の著者)に、「世界がもし100人の村だったら―私たちの平和のつくりかた」と題して講演していただきました。
 以下に概要を報告します。

  1. 世界遺産には、世界遺産に指定することで戦争をなくしてゆこうという狙いが込めれている。

  2. 世界がもし100人の村だったら』の印税で「100人村基金」を作り、草の根のNGOに使ってもらっている。援助があれば貧しさから抜け出せるし、人が元から持っている力を発揮するキッカケになる。

  3. 憲法の前文の英文は「We,the Japanese people」で始まっている。憲法は国に対して「われら主権者」の権利を尊重せよと強く言い渡したものだ。

  4. 憲法は敗戦で茫然自失していた戦後直ぐの日本人に「押し付けられた」と言われる。が、憲法は10万人単位のデモが行われる中で公布されたし、GHQが1週間で叩き台を作れた背景には、鈴木安蔵たちの憲法試案が存在していた。吉田茂がマッカーサーの「1年後に見直せ」という要求をはねつけたのも、当時の世論が新憲法を熱狂的に支持していたという情勢があったからにほかならない。

  5. 日本が戦後60年間、繁栄を謳歌できたのは、アメリカの「核の傘」ではなく、憲法のお蔭だ。憲法が変えられていたら、朝鮮戦争、ベトナム戦争に再編された日本軍が出向いていただろう。憲法が私たちの生命を守ってくれている。

  6. 日本が「戦争できる国」になるという動きの中で、『戦争の作り方』を出版した。戦争経験者は「全くこの通り」だったと言われる。外国人が管理の対象にされる。防災訓練の中に怪しげなものが含まれている。教育基本法も危ない。今、新しい出版を準備している。


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  第5回奈良市民の会のお知らせ   
   日時: 4月23日(土) 13:00~16:30
   場所: 奈良県女性センター
   内容: (1)ビデオ上映『9.11ボーイングを捜せ』
        (2)国民保護法に関する学習
        (3)市民向け宣伝ビラの原案作成  など

 平和・無防備都市条例を実現する奈良市民の会
        連絡先: 辻本 誠(090-6059-5202)

投稿者 奈良市民の会 : 10:56 | 報告 | トラックバック